書籍:その他、映画、音楽
遠藤周作エッセイ選集『かなり、うまく、生きた』

久々に日本語の本を読んでいるところ。去年、里帰りしてた時にいろいろ買った中の一冊、故遠藤周作氏のエッセイを集めた文庫本、『かなり、うまく、生きた』。
彼の作品は、その代表作である『海と毒薬』、『沈黙』
、そして孤狸庵として書かれていた軽快でユーモアあふれる楽しいエッセイを読んだことはあるが、なんせかなり大昔、子供〜すんごい若い頃のことで、作家の背景、彼が病を煩い、大きな手術3回を含む2年半もの入院生活を強いられていたことなどは、この本を読むまで知らなかった。3回目の手術では数回心臓が停止し、仮死状態にもなったとある。
だから、彼が「かなり、うまく、生きた」と言えたのは、作家として大きな業績を残したとか、うまく世渡りできたとか、いろいろ幸運に恵まれたからではない。
しかし私はこの挫折とブランクとをかなりうまく使ったと今、過去を回顧して思っている。
まず私は生活と人生とは違うとその頃から考えるようになった。病気はたしかに生活上の挫折であり失敗である。しかしそれは必ずしも人生状の挫折とは言えないのだ。なぜなら生活と人生とは次元がちがうからである。〜『かなり、うまく、生きた』の11頁〜
ひとつだって無駄にしちゃいけないーーと言うよりは、我々の人生のどんな嫌な出来事や思い出すらも、ひとつとして無駄なものなどありはしない。無駄だったと思えるのは我々の勝手な判断なのであって、もし神というものがあるならば、神はその無駄とみえるものに、実は我々の人生のために役に立つ何かをかくしているのであり、それは無駄処か、貴重なものを秘めているような気がする。
これを知ったために、私は「かなり、うまく、生きた」と思えるようになった。
〜『かなり、うまく、生きた』の13頁〜
と彼がいうように、たとえ安泰な毎日を送る幸運に恵まれていなくても、挫折や悲しみを経て、「かなり、うまく、生きる」のは、その人の主体性、ものごとから何を学ぶか、感じるかにかかっているのだろう。
と、ここまで書いて、読書にもどり、結局終わりまで読んでしまった。
編集部が「本文中に一部差別的表現が使われていますが、執筆者が故人であることと作品の資料性を考慮して、発表時のままとしました」とあるように、ちょっとしっくりこない部分もちらほらあるし、多分、私が10年若いと、キリスト教信者である彼に宗教が与える影響の大きさなどはピンとこなかったと思うけど、生と死、人生について書かれたエッセイをまとめたものなので、そういう点も違和感なく読めてしまった。
むしろ、キリスト教色が強い内容に対して、人間が死と対峙するとき、人生をみつめる時、宗教の違いは関係ないんだなぁと思った。
いやぁ、映画もいいけど、本っていいよね。自力で生きてるだけじゃ学び取れないことがいっぱいよね。これはエッセイ集だけど、小説って、架空のものでも実話に基づいたものでも、人生疑似体験するもんね。忙しがってないで、お勉強以外の本をもっと読もうと思いました。
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タグ: 遠藤周作 孤狸庵 随筆 エッセイ 書評
2007年04月01日 | この記事のURL│ コメント(16) │TB(3) │clip!
書籍:その他、映画、音楽
私の友人が今闘病生活中なのですが、私の少ない経験の中から得たエッセンスとして伝えていた事と同じ事が、改めてエッセイとして書かれていると、彼女の中心まで届くかなと思い、早速メールしました。
今日の出会いも必然(*^_^*)
彼女の心が穏やかになってくれることを願って。
よっちゃんさん、本当にありがとう!!!
五つ星にしたけど!?
ウン〜ン?
今、刑務所に入った人のブログがお気に入りで読んでいます。
でも、その人から『大変でしたね』って労われるんです。
自分じゃ分からないです。よく助かったな〜と想うだけでf(^_^)
まだ生きているから幸福になる可能性ありますよね?
団地の同じ棟の同じ名字の方の郵便物が私のポストに入っていて、今日団地の掃除の時に話し掛けたら、パソコンの資格を持っている上級者でした。
これで解決です。
プログラムにフォーマット打ち込んで完成?!
これも人生ですかね(笑)スイマセンよた話しで。。。
郵便物はYahoo!でしたね(笑)
人生むずかしいのか、カンタンなのか?わかりません (*^_^*)
写真もいつもきれいで、いつも楽しく拝見しています。
よっちゃんさんのブログは、ニューヨークに住んでいる人にとってはとても身近な内容で、NYJAPAN.comを日頃利用している人にも楽しく読まれると思うのです。なので、たくさんの人に見てもらえるように、ブログの登録をしませんか?
http://nyjapan.com/blogForm.jsf
登録は無料で、上記からとても簡単に出来ます。
よろしくお願いします。
私も遠藤周作さんは大好きな作家で、
小説の方はかなり読みました。
だけどエッセイの方はほとんど読んでいなくて。
これを機に、「かなり、うまく、生きた」から始めてみます!
いい情報をありがとうございました♪
仕事関連から離れた本を読むのも、とっても新鮮に感じられ、さらにわたしのアメリカナイズされている日本人になっていることにはっと気がつきました。言葉は人をあらわすって本当だと思います。
英語に限らず、日本のことをもっと知り、大切に受け継ぎ、誇れる日本を外国にも広めていけたらいいなぁーと思いました。
よっちゃんのおかげで、すばらしい本と出会うことが出来ました。ありがとうございました♪
この遠藤周作先生のご本も次回のお楽しみとしてとっておきますね。
仕事関連から離れた本を読むのも、とっても新鮮に感じられ、さらにわたしのアメリカナイズされている日本人になっていることにはっと気がつきました。言葉は人をあらわすって本当だと思います。
英語に限らず、日本のことをもっと知り、大切に受け継ぎ、誇れる日本を外国にも広めていけたらいいなぁーと思いました。
よっちゃんのおかげで、すばらしい本と出会うことが出来ました。ありがとうございました♪
次回は遠藤周作先生の本にトライします。
「かなり、うまく、生きた」か〜。。。
私もそう言えるように生きたいなぁ。
句読点に作家の言葉を感じます。
私も子供の頃から、ずっと読書好きだったんだけど
やはり、大人になってから、仕事に関連のある本や
実用書、実用的エッセイを読むことが増えました。
でも、ここ1年位、小説返りしています。
今、生きてる現実を離れて、イマジネーションを膨らまし、
また、現実に戻った時に、物語から力をもらっている。って感じで、色んな意味でリフレッシュできて良いです。
また、本の紹介もして下さいね〜。
つらいことを通り抜けてきた人にしかわからないことって沢山あると思います。
なんでも人生の肥やしになる、無駄なことは何もないと思うとちょっと気持ちが楽になります。
ていうか、自分の人生、これしかないですから、全部受け入れて大事にしたいし、そうるしかないでしょうと思います。
私は猛烈にやりたいことをやりながらのスローライフがしたいです。
矛盾してるように聞こえますが、没頭したいポイントでスローダウンするとかえってストレスになると思うので、健康管理だけは気をつけて、つっぱしりたいと思います(笑)
病気は本当にもちろん本人が一番つらいですが、周りの者もつらいですよね。
病は気からというのは、実際そうで、ポジティブに気持ちをもっていくことで
自然治癒力が高まるというのはあることで、そういうことを取り入れている(自分が病気になって良かったことを書き連ねるとか、)病院もあるそうです。
自分のことを心配してくれる、気にかけてくれる人がいるというのは
とても心の支えになると思います。
お友だちのこと、そっと支えてあげてください。
「生きてるだけで丸もうけ」って明石家さんまさんが言ってました。確か、いまるっお子さんを命名したいわれについて話してた時に。仏教に基づいた言葉だと思うんですが、その通りだと思います。
様々なご苦労を知りもしないままえらそーなことを言うと、
生きてること=幸福なんだと思います。生活と人生は違うから、どんなにたいへんな生活の中でも
いい人生ってのはアリです。
つらいことを経験するからこそ、人のつらさや悲しみもより深くわかります。だからこそいろんなことに気がつきます。
こういう気がつくポイントがいっぱいある人生というのが味わいのある充実した人生だと、遠藤周作先生はおっしゃてるのだと私は読みました。
フリーランサーなので、これから大変かもという不安はあります。でも、人事を尽くして天命を知る、あとは野となれ山となれ、日はまた昇るって思ってます。かなりこれでいろんな悩みは解決します(笑)
あとで拝見します。ご紹介ありがとうございました。
遠藤周作さんの本も含め、勉強以外の本を読んでたのは子供のころから大学生くらいまでだけだったような気がして反省しきりです。
エッセイは、エッセンスと似てると思うんですが、どかっと時間がとれなくても読みやすいので忙しがってる私には向いてるなと思いました。
短編小説も、読むのに時間はかからないんですが、秀作であればあるほど、一話読んで、次!ってならなくて、やっぱりちょっと固まった時間が欲しくなっちゃうので。
そういえば、高校三年生で大学受験の2次試験前、ふと太宰治を読んだらいろいろ完読してしまい、いろんなことを考える自分と、そんなこと考えてる場合か!とい自分が交錯してたいへんでした。小説って影響力が大きいだけに、ちょっと心構えがないと読めないでいます・・・^^;
あ、私も同じです!(笑)
本屋さんに行くと「あ、これ面白そう。これもおさえとかないと」って手を出してしまい、ものすごい積ん読状態です。amazon.comでギフト券がしょっしゅう送られてくるくらい一時期すごい買ってました。
読み切れない本がたまっていくのは、スペースもお金ももったいないので、本自体がデザイン的にも欲しいもの、リファレンスとして常備したいもの以外は、最近は図書館のデータベースを検索して、借りられる本は借りて読むようにしています。返却期限が延ばせるものの一応あるから集中して読む動機になるし、読み終わると手元から離れるので、持ち物が増えなくていいと思って。
でも、返却に行って、棚を見て回って、返した本の冊数よりいっぱい借りてきたりして、だんだん同じ状況に陥ってます・・・^^;


運営者:よっちゃん
●遠藤周作エッセイ選集1 人と心 『かなり、うまく、生きた』
