本の紹介

■美味しいがわかる本

2005年2月10日

お薦め洋書グルメ本

グルメな人にとってはバイブルとも言える情報がいっぱいの本、『Zingerman's guide to good eating』Ari Weinzweig 著
オリーブオイル、ヴィネガー、パン、パスタ、西洋の米、チーズ、プロシュート、セラノハム、サラミ、スモークサーモン、塩、コショウ、サフロン、ハニー、バニラ、チョコレート、ティーと目次を眺めるだけで垂涎もの。


今、列挙したものって、プロダクト毎に明らかにものすごい違いがあるのだが、同時にものすごく種類が多くて、1つ1つ買っては味見していたんでは、一生掛かっても最高のものを食べ損ねてしまう恐れがある。世界中から美味しいものを集めたニューヨークのグルメセレクトショップ、「Zaber's やDean & DeLuca の歩き方」、そんな本でもある。

例えばオリーブオイルの章では、その歴史、種類、選ぶ時のポイント、値段の違いは何の違いか、保存の仕方、どれを買えばいいのか、オリーブオイルのできるまで、味わい方、地域別お薦めブランド紹介、日常的に使うオリーブオイルはどれがいいか、レシピといった項目で構成されている。私なんかの考えつく疑問は、読みさえすれば全部解決してしまう。

読んでいて、ほぉーー!っと思ったのは、チョコレートをいかに味わうかを説明している部分(p. 399~400)。まとめると、

  1. カカオ豆のフルフレイバーを味わうためにはダークチョコから始める
  2. 何回かチョコレートを噛み、フレイバーの元を口内に放つ
  3. 噛むのを数秒 (チョコが冷たかった場合は数分) やめ、口の中でチョコを溶かす
  4. この時、いいチョコはスムースな舌触りでなければならない
  5. チョコの風味が舌の先から両サイドにゆっくりと広がる
  6. いいチョコだとこの時点で過度でない甘味が感じられる
  7. bitterness 苦みがあるのに気付く。もしかすると、ワインのような風味、酸味も感じるかもしれない。これらの味わいこそが安物のチョコレートでは味わえない良質のチョコレートの醍醐味なのである
  8. 飲み込んだ後、1~2分は次を食べない。最高品質のものは、おいしさの余韻が長く続く

あー、もっと早く知っていれば良かった!なんか、これまで食べたおいしいと思っていたチョコ、実はもっとおいしかったんだ。味わい尽くしてなくて人生、損した気分。もう一回食べないと!!

この本、素晴らしいのです。役に立ちまくり。食品に関する情報の質もだけど、味覚体験の文章による表現力の豊かさ、論理性の高さがとても勉強になる。全483ページ。まだ拾い読みしかしていないんだけど、わくわくしてます。もっと読書時間を作らないと!


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