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手作り結婚式(2)サンフランシスコで結婚式を挙げた理由

2007年11月1日

サンフランシスコのシティホール

ところで、結婚式をなんで2人が住んでいるニューヨークじゃなくてサンフランシスコのダンナリン弟の庭で挙げたかっていうと、結婚に関するニューヨークの法律では私たちのやりたい結婚ができなかったから。まぁ、サンフランシスコだったら日本から来てもらう人にはニューヨークよりは多少近いし、アメリカ中部以西に多いダンナリン家族も来やすいし、観光するところもあるしってのもポイント高かったんだけど。


日本だと婚姻届けに本人達と、それ以外大人2人の判子もらって提出すれば結婚が成立するけど、アメリカの場合、 州が認可した司式者 と、大人1人の証人の前で宣誓するのが結婚式で、それをすませた上でそのmarriage certificate (婚姻届け)に司式者、証人2人にサインしてもらって初めて婚姻成立になる。

で、その司式者ってのがですね、神父さんとか宗教関係の人だったり、裁判官だったり、船長さんだったり。(クルーズで結婚式してるのよく見るのはこのせいなのね~!)どれも私たちにはぴんと来なくて、誰にあげてもらったらいいの?ってことになって固まってしまったのですね。

シティホール(市役所)で挙げてもらうってこともできるので、去年ブルックリンのシティホールに婚姻届けをもらいに行った時、その部屋ってのを見せてもらったんだけど、そしたら、アメリカのでかい国旗がががんと。2人して「戦争反対!ピース!」と気分はデモ体制に入ってしまい、シティホール案却下。

それに私たちの結婚は国際結婚なんだし、アメリカの国旗がないといけないんなら、日本の国旗も飾るべきなんでは。そんなことができるかどうか調べてないけど、多分無理だと思うし、仮にそんなことができたとしても、それはそれで私の方は、我が国の犯した過去の過ちとか、戦争責任とか、そーゆーことを考えてしまい、それは2人の永遠の愛~♪を誓う儀式になじまない。シティホール案、やっぱり却下。

てな具合で、別にたいそうな式にしなくても、宗教色も国家色もない人前式だったらいいよと気軽に考えてたら、実はそれがすごいん難易度高いと、婚姻届け取りに行って初めて気づいたんですね。(去年の話です・・・)私はいろんなことにこだわらないタイプと自分では思ってたんだけど、それは、自由でありたいという要求からくるもので、こだわってるポイントは違うけど、かなり融通のきかない、要するにこだわってるんじゃん!っていう人間だってことに気づきました。

結婚って、個人同士の意志に基づく契約を国に届けるってのが基本で、その証人が男女の側それぞれに1人ずつ必要ってだけで十分って思ってたし、世の中そういうものだと勝手に思ってたからこの事実には仰天。

民主主義を発明した国とか言ってるけど、政教分離の原則はアメリカって、実行されてないと思う。政治家ほとんどみんな「God bless America」に近いことで演説締めくくるし。私はそれをテレビとかで聞く度、「アメリカは移民の国でいろんな宗教の人も無宗教の人もいるし、アメリカだけじゃなくて、世界平和を考えたらどうよ」と心の中でつっこみ入れるよ。

話それたが、困った。婚約って、結婚する約束って意味なんだし、家族や友だち、そしてブログでも言いふらしちゃって、みんなからおめでとうって言われっぱなしのこの詐欺のような状況をハッピーエンドにするため、なんとか結婚しないと。

「(ちょっと思いの外、たいへんだったし)別に誰にあげてもらうとかこだわんないで、どっか景色のいい教会で結婚式とかよくない?」と私。

クリスマスを祝って、除夜の鐘を聞いた直後に初詣に行くことに何の疑問も持たない日本人の1人として、ここはひとつ、これまでの心の葛藤はあっさり水に流し、思い切った展開に出てみた。

でも、ダンナリンは子供の頃に嫌々教会に行かされてた反動で、頑なに神父・牧師案を嫌がり、「じゃぁ、お坊さんじゃどう?だって、敬虔に信仰してなくても日本人の多くは基本は仏教って言ってたよね?」と切り返す。

・・・そりゃぁ確かに、気にしなきゃ神父さんでもお坊さんでもいいはずだし、確かに、私は手塚治虫の『ブッダ』を読んで感動して、仏教的思想には共感する部分がたくさんあるんだけど、多分、どの宗教でもそれについての本を読めば、「えーこというてはるわ!」と共感する部分はいろいろ出てくると思うし、それに、やっぱりこれは文化的背景の違いだと思うんだけど、お坊さんだとどうしても結婚式みたいな気分がでなくて、というか、はっきりいうと、お葬式みたいでヤダと私が反対。

そんなこんなでもたもたしてるうち、その時もらった婚姻届は期限切れで無効に。てな経緯をダンナリン弟がニューヨークに遊びに来た時に話すと、カリフォルニアは、誰でも届け出すれば1日、特定の結婚式だけを挙げられる司式者になれるっていうじゃありませんか。

盛り上がる私たちを見て調子づいたダンナリン弟は、「司式者なってみたいし、うちの庭でやれば?」と。酒の力は大きい。ステーキ食べた後、飲みに行ったバーでの話だからね。あ、いやいや。前にダンナリンおねえさんからも、うちの庭でやれば?というありがたい申し出を頂いていたんだけど、カリフォルニア郊外だったので、式前後の観光のことを考え、弟庭案を採択(笑)

ながーい話になりましたが、こんな試行錯誤を経てサンフランシスコ結婚式にたどりついたわけなのでした。
最初の写真は、婚姻届けをもらうのと、義弟司式者申請に行ってきたサンフランシスコのシティホール。

サンフランシスコのシティホール、館内

外も中もすごい立派な建物だった。書類提出する時は緊張したけど、見知らぬ場所なので、ちょっぴり観光気分で楽しかった。
館内ツアーもやってました。



世間見回してみたら結婚してる人はいっぱいいるわけだけど、個人的にはやっぱり人生の一大イベントなんだよね。達成感は大きい。なんでも産みの苦しみがあってこその喜びがあるのですね。結婚式、こぎつけるまでたいへんだったけど、やってよかったです

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