スローライフ・エッセイ

生卵禁止的アメリカで卵の生食はありかなしかを検証

2014年11月19日

アメリカで生卵を食べるには醤油漬け【イラスト】

熱々ごはんに生卵と醤油。納豆も生卵と醤油。すきやきも生卵溶いたんにつけると、あの甘辛い醤油味がしみたお豆腐やらお麸やらがひときわ美味しい。なのに、アメリカで暮らしていると、生卵はサルモネラ菌で危ないから、完全に火を通すようにと言われる。あぁ、でもあれに変わる味はない。日本の味が恋しい!そんなジレンマがあって、その昔、ちょっと調べてみた。
生卵醤油漬けイラスト
だってね、アメリカだって、エッグノッグや、シーザーサラダや、ステーキタルタル、アイスクリーム、マヨネーズとか、昔は生卵を加熱しないで使っていたヒストリーがあるんだから、アメリカの卵だからダメってことはないと思って。

まず、FDAによると卵がサルモネラ菌に汚染されている確率は3万分の1。で、当たった人のうち、94%は病院にいかなくて自力で治し、病院に行った人が5%で、入院した人が0.5%で、死亡した人が0.05%*。

食中毒は、野菜だって、熱殺菌してるはずの加工食品だって起きてるけど、毎日生野菜サラダ、食べてるし?というわけで、私は、生卵をアメリカでも食べる人生を選ぶことにした。

でも、卵選びにはこだわります。キーワードは、Organic だけじゃなくて、Pastured。放し飼いっていう意味だけど、書いてるだけじゃなくて、農家のサイトもチェックして、その信用性も確認して。要するに、何万羽もの鶏を身動きできないような不潔でストレスいっぱいの環境で工場製品みたいに大量生産された卵じゃなくて、外で走り回って、ハッピーで健康な鶏が産んでくれた卵。

そういう鶏は、糞を検査してもサルモネラ菌はかつて検出されたことがないと、サステイナブルな酪農家でスポークスパーソンでもある Joel Salatin (polyfacefarms.com)と言っています。

こういうヘルシーな卵は、大量生産系の卵よりも安全なだけでなく、ビタミン E は3倍、D は4~6倍、オメガ3は2倍、ベータカロチンは7倍と、栄養価が全然違う。いつも思うんだけど、ヘルシーさって味に反映される。美味しいんですよね。

卵の黄身一個には、りんご一個分の抗酸化物質が含まれるとか。是非とも美味しく頂きたいものです。

というわけで、心置きなく生卵醤油。おすすめしません(笑)どうぞ、自己責任で。

醤油小さじ4杯+みりん小さじ1杯を混ぜたものに、黄身を漬け込み、冷蔵庫で3日待つ。かつお節や昆布を混ぜたり、醤油をちょっと減らして塩麹を加えたりしてもグー。たれの総量は底面積の小さい器にするとこのレシピでいけますが、使う器によって変わってくるので、少ないようなら同じような比率で作り足してください。

たれの色に黄身がそまって、まわりがちょっと硬くなって中がとろ~り。これを取り出して、ごはんにのせたら、もう最高!シンプルな野菜のお浸しと、お味噌汁で、本当に充実した食事になります。シンプル・イズ・ザ・ベスト!の絶品です。

[参照] *Pub Med "An overview of the Salmonella enteritidis risk assessment for shell eggs and egg products." http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12022671?dopt=Abstract

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