イベント、できごと

サンクスギビングデー・パレードを見るにはココだ!

2004年11月27日


今、ニューヨークは観光客とホリデーシーズンの買い物客でごった返している。昨日はサンクス・ギビング・デーで、思いがけずパレードを目の当たりにしてしまった。


この日の朝は、モントリオールからニューヨーク経由でパリへ向かう友だちに会うことになっていて、バスでニューヨーク入りした彼女と、ポートオーソリティ・バスターミナルで落ち合い、カフェグレイでランチを食べるため、コロンバスサークル横にできた高級ショッピングモール、タイムワーナー・センターへとタクシーで向かった。
恒例のパレードがあるのは勿論知っていたが、目的はあくまでタイムワーナーセンターで、頭の中にはごはんのことしかなかったので、タクシーの中から真っ正面に空飛ぶビッグバードが見えて驚いたのなんの。
パレードが始まる何時間も前から、メイシーズの角で凍えながらスタンバって、もみくちゃにされて見たのが直接見た最後のビッグバードだったので、まさか、こうやすやすと、偶然再会するとは思わなかった。
タクシーを降りて、タイムワーナーセンターの前でいくつかバルーンを見送った後、中に入って、レストランのある3階まで上がって、もっとびっくりした。タイムワーナーセンターは入り口がガラスの壁で、その上は吹き抜けになっているので、2階や3階のフロアから、そのガラスの壁越しにコロンバスサークルとセントラルパーク、アッパーイーストの建物群が見えて壮観なのだが、そこからすごーくよくバルーンが見えるではないか。
これは穴場だった。
タイムワーナーセンターは、今年2月にできたので、初サンクスギビング・デー。まだここが絶好のポイントだとはみんな気付いていないのだ。拍子抜けするくらい空いていた。みんな私たち同様、偶然居合わせた風。しかも室内なので温かい!(今年は温かかったが例年だと初雪だったりするほど寒いのです)
いやぁ、見られると思っていなかったので嬉しかった。
で、サンクスギビング・デーについて:99年に書いたエッセイより
16世紀にヨーロッパから船で今のマサチューセッツ州に渡ってきたピューリタンが不作ながら開拓後初めての収穫を祝った祭りで、ネイティブ・アメリカンから食べ物を分けてもらったことへの感謝の気持ちを表す「収穫感謝祭」。毎年11月の第4木曜日が休日(今年は25日)となり、日本のお正月と同じくらい大きなホリデーで、この日は全国的にお休み。日本人がお正月にお節料理をつつくように、アメリカ人はサンクスギビング・デーに里帰りをしてターキー丸焼きをつつく、という日。

ニューヨークだとこのホリデーのもう1つの顔は、老舗デパート、メイシーズが主催するパレード。メイシーズで働いていた第1世代の移民達が自分たちのアメリカでの伝統を築こうとして1924年にセントラルパーク動物園から25匹の動物を引っ張ってきたのが始まり。以来、年々スケールが大きくなり、アメリカを代表する人気キャラクターのバルーンが登場する現在のような形態となった(ちなみにこのバルーン、大きいものだと30mもあって、そこにひもが何本もついていて、団体で凧あげしてるみたいに、下で何十人ものボランティアの人が引っ張っている)。

アメリカに来た最初の年、当時通っていた英語学校のカワイイおばあちゃん先生が「みなさん、明日はサンクスギビング・デーで学校はお休みです。メイシーズのパレードをご存知ですか?見たことがない人は絶っっっっっ対に見に行って下さい。それはそれは大きな大きなバルーンがビルの谷間をわあああっっと飛んでいくのです。すごいんです!感動します!ものすごいスペクタキュラーです!」と目をキラキラさせて両のコブシ握りしめて熱弁をふるうので、そこまで言うなら・・・と朝9時に始まるパレードを見に行ったのが私にとって最初のパレードだった。

正確には見に行くつもりだったんだけど、寝坊して、ありゃりゃ、もう始まっちゃったよ、と起きたてのボケた頭のまま大通りをブロードウェイを目指して走っていた時に、突然ビルの狭間の細長い空をはうように横切るスパイダーマンを唐突に目撃したのが私の初パレード体験であった。

「伝統」というと古式ゆかしいものであり、手の届かないところに奉られているものという感が少なからずもある日本人の私は、「これがアメリカが誇る伝統的行事!」っておばあちゃんが指さした所にスパイダーマンのでっかいでっかい風船が飛んでいたことが、結構なショックだったのとともに、何だかとてもうれしかったのを覚えている。ニューヨークっていいなぁ、人間って楽しいなぁと思うと、カンドーして頭上をスケートして飛んでいくスヌーピーを見ながら不覚にも涙してしまった。

以来、私はいかにサンクスギビング・デー・パレードがすごいかをシーズン前には言いふらして回っている。

例年この日より前、どんなに暖かくてもサンクスギビングの日にはマンハッタンにも初雪が降ったりと、とても寒くなる。なのに今年はコートがいらないくらい暖かかった。

メイシーズのパレードのフィナーレはサンタクロースが飾る。このパレードがクリスマスシーズンを連れてくるのだ。アメリカのメディアはこれを「ホリデーシーズンの "キックオフ" 」と言う。そんな言葉がNYの冬の到来を告げるにはぴったりだと思う。

人気の記事

-イベント、できごと

© 2024 ニューヨーク・スローライフ