ニューヨークと言えばベーグル。朝食の定番だ。おいしいベーグルは、持つとずっしりした手応えがあり、表面がバリっとしていて (crunchy)、中がチューイー(chewy)。チューイーのチューは、チューイングガムのチュー。噛んでも噛んでもしっかりした噛みごたえが失われないベーグルには、ぴったりの表現。
ベーグルを食べるということは、ばくっとかぶりついて、むぎっと顎の力と腕の力で引きちぎって、もちっとした身を噛んで噛んで噛むということである。そうすると、脂肪分を含まないみずみずしい生地のピュアな味の奥からほのかな甘みが滲み出てくる。これがベーグルの旨味だと思う。
このチューイーという表現、日本語にはないし、このベーグル最大の特徴が日本のベーグルにはないように思う。最近はベーグルの専門店もできているらしいので、ベーグルが日本でちょっぴり流行ってると聞いて私が食べた頃とはレベルも違うのかもしれないけど、日本のベーグルって、私にはどこか物足りない。パンチがないというか、どれもなんかコッペパンぽい。「軽い口当たり」とか、「ふわっとして口の中で溶けるような美味しさ」なんていう形容は、ベーグルには無縁のもの。顎が疲れるくらい噛めなくっちゃぁいけません。
旅行の方にも、現地在住だけど未体験な方にも是非食べて頂きたいのは、ローワーイーストにある Kossar's Bairlys コッサーズ・ビヤリーズのベーグル。私は、お店が昔住んでたアパートの近所だったので、何も知らずに食べてすっかり虜になった。安いブラウンシュガーで代用しないで、モルトを使い、焼く前に1日以上生地を寝かせ、全工程が昔ながらのハンドメイド、お店の地下がファクトリーなので、焼きたての時は本当に焼きたてーーなんてのは後から知った。
メディアに紹介されているおいしいベーグルというと、H&H、Ess-a-Bagel が双璧だけど、いろいろ食べた中ではコッサーズが断トツ。全然迷わない。ニューヨーク・ベスト・ベーグルは、コッサーズと断言します。ベーグルの本場ニューヨークで一番ということは、世界一って言っちゃっていいのかしら。(ドキドキ)
ちなみに飲食スペースはお店にはありません。座って食べたい方は、ここから徒歩15分くらいのところにある、Clinton Street と Stanton Street のコーナーにあるLotusというカフェに行きましょう。ここは、何の変哲もない地元人向けカフェなんだけど、ベーグルはコッサーズだし、サンドイッチに使っているチアバータやスチラート(バゲットみたいなイタリアのパン) は Salivan Street Bakery サリバンストリート・ベーカリーだったりして、私のお気に入りのツボをずばり押さえた素晴らしいカフェだった。あぁ、懐かしい。
今のうちの周り、ダイナーはあっても、カフェと呼べる代物が見あたらない。手近な外食は悲惨なのT-T とほほだけど、その分、無理してでも自炊するので、健康と懐にはいいのだ。前向きに、前向きに・・・。
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Kossar's Bialys コッサーズ・ビヤリーズ
367 Grand Street
New York, NY 10002
212-473-4810
(Essex Streetの東)
http://www.kossarsbialys.com
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営業時間:
月~木 6:00-19:00頃
金 6:00-15:00頃
土 20:00-日 22:00
*閉店は売り切れ次第