健康・食の安全

■ヘルシー食生活3:良い脂肪、悪い脂肪(その1)

2005年11月3日

02fats.jpg

脂肪は炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素。効率の良いエネルギー源として不足してはいけないし、こと必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸のn-3系とn-6系)は、不足すると細胞機能が低下し、便秘、肌荒れ、関節炎、心臓病、高血圧、気分がふさぐなどさまざまな病気の原因となる。

必須と言われるのは、「体が作れないので、食べ物として摂取しないといけない」から。脂肪というとなんでも一緒くたに悪者扱いしがちだけど、区別して良い脂肪はきちんと摂らないといけないということですね。


では、どれが良くてどれが悪いのか?まずは脂肪の種類をみてみましょう。

1.合成された脂肪

トランス脂肪酸 Trans Fat: 水素添加 hydrogenated によって合成

   ・マーガリン、ショートニング、化学合成油脂(生成された植物油)

2.ナチュラルな脂肪

飽和脂肪酸 Saturated Fat: 炭化水素基が単結合

   ・動物性脂肪:肉類、乳製品、パーム(椰子)オイルココナッツオイル
不飽和脂肪酸 Unsaturated Fat: 炭化水素基に1個以上の二重結合を含む

▼一価不飽和脂肪酸 Monounsaturated Fat

 n-9系(Omega 9)-オレイン酸

   ・オリーブオイル、キャノーラオイル、アーモンド、アボカド
▼多価不飽和脂肪酸 Polyunsaturated Fat

 ├n-3系(Omega 3)-αリノレン酸(LNA)、EPA、DHA

 │ ・亜麻仁油(フラックスシードオイル)、クルミ、イワシ、サーモン

 └n-6系(Omega 6)-リノール酸、アラキドン酸

   ・紅花油、ひまわり油、コーン油、大豆油、ゴマ油

例に挙げた食品は、それぞれの脂肪酸を多く含むという意味で、どの脂肪にも飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸が含まれます。

1.

まず避けたいのは、最初に挙げたトランス脂肪酸 Trans Fatty Acid。アメリカではマクドナルドが表示の義務を怠っているとして訴えられたりするくらい周知の健康の敵。常温で長期間腐りもしない、自然が分解できない、虫も食べ物だと思わないから寄りつかないようなものが体に良いとはとても思えないし、アレルギー、心臓病、癌などの病気の原因となると言われてます。

最近では、トランス脂肪ゼロのマーガリンとかショートニングとかあるけど、他にナチュラルで、もっと美味しいものがあるのに、そうまでして加工製品を使う理由が私には見つからない。味的、気分的、健康的、全ての面から私はいただけません。

この類の脂肪が生まれたのは、日持ちする製品を作るためと、材料費を抑えるため。市販のお菓子、パン(特に菓子パン類)、レトルト食品、インスタント食品、ファーストフードなど、オーガニックじゃない加工品のほとんどに使われているから、避けたければ買い食いがだいたいアウトとなるのであります。

・・・もう、し~~~んとしちゃいますよね。私も2年前までは、気にはなりつつも食べてたのでエラソーなことは言えませんが、今はできるだけ避けてます。そうすると高くつくけど、高いから買う前に、それが本物で美味しそうかどうか、どうしても今食べないといけないほどお腹が空いてるかどうかを検討するのでダイエット的にいいです!(笑)

ヘルシーグルメダイエットとでも言いましょうか。量を控え、無駄な買い食いはせず、質を追究して、食べるたびにすごい幸せになったり、感動したり、新たな味覚を開拓したり、作り手の素晴らしい仕事に敬意を表したいという私のニーズにこのダイエットは合ってます。楽しい、美味しい、体にいい、気分いい、です。

2.

次にナチュラルな脂肪について。飽和脂肪は、常温で固体で、コレステロールを上昇させるので控え目に。不飽和脂肪酸は、n-9系、n-3系、n-6系に分けられ、推奨されるバランスは、「第6次改訂日本人の栄養所要量」(2000年~2004年度まで使用)によると、飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3で、多価不飽和脂肪酸のn-6系:n-3系=4:1。

American Heart Association では、各脂肪酸の摂取を総カロリーの%で、飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=7~10%:10~15%:10%、n-6系を10%以下としている。他の文献では、n-3系:n-6系の理想比率は1:1(ものによって1:2~1:4)というのを多く目にした。

なんか話が難しくなってきたけど、大雑把にいうと、脂肪は不飽和脂肪酸で摂取し、現代人が不足しがちなn-3系を多く、肉より魚(魚は魚で水銀の問題もあるけど)を食べましょう、上の表内の青地がオススメ、赤は避けよう、紫はほどほどって感じ。もっと詳しく知りたい人は「飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸」でグーグルするといろいろでてきます。

私はこういうことを健康食料理学校の「Basic Quality Ingredients」というクラスで習ったんだけど、その時は化学式やら何やらでついていけず、「オリーブオイルとフラックスシードオイルとココナッツオイル、でナッツ食べて、たまにならバターもいいのね」ということだけ頭に入れた。今、いろいろその時にもらった資料とか、参照リンク先とか見て復習しながら今日の記事は書きました。

途中ちょっと触れたけど、「体にいいもの=本物」で、それってみんな美味しいのよね。つくりもののマーガリンやサラダ油はなめてもおいしくないけど、エクストラバージン・オリーブオイルは、油ぎってなくて、自然のジュースっていう味がして香りも種類によっていろいろで面白いし、すごい美味しい。ヘルシーグルメダイエットって、かなりいけてると思うなぁー。

油に関しては他にも注意しないといけないことがあるので、続編をまた書きます。ココナッツオイルだけ青地なのも不思議よね。あぁ、こんなことを書いていてまた夜更かししてしまった。。。

人気の記事

-健康・食の安全

© 2024 ニューヨーク・スローライフ