この夏、ミミズを買った。そして今も飼っている。
ここんちに引っ越したのが3月で、窓辺によく陽が当たるので、鉢植えでハーブ栽培を始めたのだが、イマイチすくすく元気いっぱいに育っていなかったので、これはやっぱりそろそろ肥料をあげないとと思ったのだが、有機栽培を目指していたので、安易に化学肥料に手を出したくなかった。かといって室内なので臭いのも困る。
そうだ、ミミズさんに一仕事してもらおう。
ポンと膝を叩き、いろいろウェブで調べた結果、辿り着いたのがマンザニタ・エーカーズ(ウェブサイト、1/12/2019に確認したところ、なくなってました。)というミミズのオンライン・ストア。ハーフ・パウンド (=227g)で14ドル、shipping & handling (送料・手数料)が4ドル。農場直送なので、他のミミズ・コンポスト(生ゴミ処理)のための家庭向けミミズ販売店よりも安い。
私は子供の頃は昆虫もハ虫類も両生類も、生き物は何でも大好きだったが、最後に土いじりをしたのなんていつだったか。ミミズを触ったことなんていつだったか、覚えがないくらい遠い昔。ウェブ検索でミミズのサイトをブラウズする度、ミミズうじゃうじゃの写真を目にした私の正直な感想は、「うわぁ・・・きっしょっくっ悪う・・・」。
というわけで、自分で取り扱う確固たる自信はなかったのだが、最悪、同居人がなんとかしてくれるだろうと思って注文した(笑)そして数日後、パッケージが届いた。プライオリティ・メールという速達より遅く、普通小包より速いやつで。あぁ、怖い。開けるの怖い。どうしよう。同居人が「何?何?何受け取ったの?」と興味津々。「earthworms...」と答えると、「???!!! That's cool!」。すごく嬉しそう。
自立した大人の女の意地を見せて、とりあえず外箱は自分で開けてみた。そしてビックリ。なんちゅう簡易包装。箱の中にあったのは、合成繊維でできたガーゼよりは分厚く目の細かい白い袋。端っこを持って取り出すと、いやん、動いたーーっ!がさごそだって。当然だけど。もう、オーマイガーの半泣き状態。
結局、同居人に頼んで袋の口を開けてもらう。私はちょっと避難。一息ついて近づいて中をのぞくと、うようよミミズがいるじゃないの。でね、すぐに気が変わった。あんなに気色悪いと思っていたのに、実際見てみると、なんだかみんな元気そうでヘルシーって感じ。土が違う。見るからに肥沃な黒くてふかふかした土は美しかった。私の好物、錦松梅みたいなテクスチャー。ちょっと見直したが、やっぱり気持ち悪いと思っているもう一人の私がまだいるので、妥協案として、割り箸でつまむことにした。「I'm brave! I can do it by myself!」と気丈にふるまう健気な私。
鉢の上にミミズを置くと、みるみるうちに土の中に潜っていった。そのうち割り箸が面倒くさくなって手でつかむ。何故だかちっとも気持ち悪くなくなっていた。
でも、あまっちゃったよ。ハーフ・パウンドのミミズって言われても、一体それがどんだけなのか全くわからないまま、最小単位で注文したのだが、結構いた。うじゃうじゃ。なので飼ってみることにした。飼い方は、ミミズ・サーチをしている時に調べがついていたので要領はわかっていたし。バケツ大のタッパーの側面に穴をあけて、土と近所から掻き集めてきた落ち葉を交互の層にして入れて水で湿らせた床を作って放すだけ。餌は生ゴミ。ミミズは絶対菜食主義なので、野菜や果物を地中に埋める。与えすぎに注意すれば生態系がうまく形成され、カビも生えないし、嫌なにおいもしない。ミミズちゃん達の糞で肥えた土が育つ。ミミズちゃんも元気。目下絶好調。
というわけで、我が家には今もミミズちゃんがいます。うちのミミズちゃんは、まだまだ数が少ないので、生ゴミ全部は餌にできないけど、「食べれなくないけど、もう新鮮じゃないしー」っていうものとか、ちょっといたんでる部分やら、「あ、落としちゃった...」というのを餌にできるので、もったいないお化けから逃れられます。
「こないだキウイの皮をあげたから、ミカンの皮よりバナナの皮かな」と、選んで餌をやる日々。だって、酸っぱいもの続くよりミミズちゃんも嬉しい気がするでしょ?そのうち、もっと大規模にして、生ゴミゼロを目指そうと思う今日この頃、でした。