これは夫のランドリーバッグ。数箇所、破れた時に「じゃーん、楽しいプロジェクトがあるよ!」って言われて、私が当て布して、ちくちくと縫ったもの。パッチワークといいますか、ダーニング。
いつだろう。もう何年も前のこと。
昨日、近所のランドロマット(コインランドリー)に、夫が自分の洗濯物をドロップしに行った時に久々に自分の仕事を見たんで、写真撮らせてもらった(笑)
ニューヨークでは、こういう袋に入れて持っていって、お金払うと洗濯して、畳んでくれるサービスがあるんです。私はアパートの地下のランドリールームで自分でやるけど、夫はいつも外注。
なんだか、宇宙の生きものみたいだね。自分がやったとはとても思えない。
布は、元はランチョンマットだったのを、食べこぼしとかのシミがとれなくなったから、きれいなところだけをとっておいた端切れ。オレンジと赤の水玉模様だったんだけど、穴からちょうど目みたいに出た(笑)
単に記憶力が悪いだけなのかもしれないけど、創ったものって、できあがった瞬間から、もう自分のものじゃないんだよね。物体としてもう精霊が宿ってるみたいな感じ。私はただの媒介。
こっちは、バッグの反対側。なんかひっかけたかなにかで、L字型にやぶれてたのをとじるようにしてダーニング。日本の刺し子用の糸で、バスケットステッチもどき。
刺繍糸と刺し子糸、何が違うかっていうと、刺し子糸は艶がないんですよ。そして、撚ってない。色はカラフルだけど、すごく使い古した木綿にしっくりと馴染む。日常の味。素朴で好き。
ダーニングって、動詞 darn ダーン(繕う、かがる)の動名詞なんだよね。
でも、日本語として定着したダーニングは、本まで出て、流行ったせいか、手芸の一ジャンルとして確立されてる感じ?
言葉の本来の意味からしたら、別にかわいくなってる必要もなければ、特定のやりかた、縫い方、作法があるわけではないのに。
目的は、穴があいたり、生地が弱ってきたり、破れたりした布を、あて布したり、かがったりして、使えるようにすることなので、それが貫徹できていればよいのです。
ランドリーバッグを持っていって、洗濯をたのむと、翌日くらいにできてるから、また自分で取りに行くのね。どれが誰のランドリーバッグ(人によっては頑丈なゴミ袋とかw)なのかわかるように、番号札がつけてあるんだけど、似たようなのが山積みされている中、このダーニングが目印になってすぐに見つけられていいらしい。
単にランドリーバッグの寿命をのばしただけでなく、新たな機能が加わり、バージョンアップしてて、私は非常に満足している。
もっとチクチクしたいんだけど、多分、そもそも破れたのは、どっかにひっかけたとかで、布が弱ってるわけじゃないから、当分機会ないなぁ。残念(笑)