ポール・ボキューズさん、長い間、フランスだけでなく、世界の料理界を牽引。ありがとうございました。
無名の食いしん坊である私たちを温かく迎えて頂き、世界最高のお料理を食べた経験は、私にとって一生ものです。
コンピュータを掘り起こすと、当時載せなかった写真が出てきたので、追悼の意味をこめ、全ての写真を大きなサイズにした上で追加し、加筆修正しました。
前編・後編ともに、ごゆるりとどうぞ。人生は旅、ボナペティー!
むほほほほほ〜。おいしそうでしょう〜? ミシュランで三ツ星がついて半世紀というポール・ボキューズのアスパラガスのスープですよ。
やっとの思いでテーブルについてほっとつつ、お食事中に写真なんて撮っていいんだろうかとどぎまぎしてたわけだけど、ポール・ボキューズさんがダイニングを挨拶してまわるたび、みんな記念撮影してたので、心おきなく写真撮りました。
というわけで、後編では、フルコースを食べてきた証拠写真(笑)をアップしちゃうんだけど、いいわけをしておくと、食事中にフラッシュをたくのは気が引けたので明るさが足りず、難しかった。シャッター速度の遅さによる手ブレリスクと、高感度による画像の荒れの狭間で悩み、思い切って感度があげれずなかった結果、かなりぶれぶれだった。失敗だった。何バージョン撮るとか、テストするとか、拡大して確認するとか、いろいろやり方はあったんだろうけど、だって早く食べたいもん。
それを証拠に、ほれ、あれですよ。アミューズ・ブーシュで出たエスカルゴ、写真撮り忘れたよ。
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気を取り直して、スープの次は、フォアグラ。
で、次がポール・ボキューズに行ったらこれでしょう!!っていう伝説の一品!!
ちょっと、ウィキペディアで前説ね。
1975年にフランスの料理人として初めてレジオンドヌール勲章(シュバリエ級)を受勲したポール・ボキューズが、その際のエリゼ宮での晩餐会で、時の大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンに捧げた伝説のスープ。
スープ鉢の上面に、懐石料理の「椀」のふたに見立てたパイをかぶせて焼き上げたもので、パイにナイフを入れた瞬間立ち上るトリュフの香りと、パイ自身の持つ芳香が絡みあうことで独特の効果を上げた、懐石料理をフランスで再現したものといえる。
「スープ・エリゼ」または「スープ・ヴェ・ジェ・ウ」(V.G.E.はジスカールデスタン大統領の頭文字)とも呼ばれている。
では、登場していただきましょう!!
そういう逸話も、トリュフ入りっていうのも、知らなかったら、パイ(ブリオッシュ)かぶってるっていう凝った料理とはいえ、見た目は素朴なフランス料理に見えるんだけど、これ、アラカルト(単品)で注文すると80ユーロ(2005年当時換算:11,200円)もするの。
私は、どうしても伝説が食べたかったもんで、コースに黒トリュフのスープが入っているのを探すと、Grande Tradition Classique という一番高いコースだった。8コースで190ユーロ(約26,600円)。高いけど、80ユーロのスープがついてくるってすごいお得な気がして、私たちは2人ともそれを注文。これは、テーブル全員で頼まないといけないキマリだったので。
いやぁ〜、それにしても、伝説のスープは、すごかった。
なごやかにブリオッシュをぽんぽんってスプーンで割って食べ始めた後は、ふたりとも終始無言。
カニすきとかして蟹の足をほじくり始めると、みんな無言になるでしょ?あれに似た沈黙。
素材が引き出す、人間の集中力っていうのかしら。
パイを崩しつつ、スープをすくうと黒いトリュフのスライスがいっぱい。
香り立つなんてもんじゃないよ。一回スプーンですくうごとにそこにはトリュフの大きなスライス。
とにかく黙々とトリュフを食べ続け、はぁ~、やっと食べ終わった〜と思って、心に余裕ができ、Yちゃんの方を見ると、器の膨らんでる部分にべったりとトリュフが打ち上げられてるのが見えた。
自分の器を見てる角度ではと、見えない死角!!危うく気づかずにトリュフ様を残すところだった!
もうスープはなかったので、トリュフだけスプーンですくって食べた。
トリュフって何かに微塵切りみたいなのが入ってたり、スライスが2枚くらいのっかってたりしたことはあるけど、「食べた」のは初めてだったので、貴重な体験だった。
そして舌平目。
もう、前菜だけでほぼ満腹。。だって、Grande Tradition Classique=「トラディション」に「クラシック」だもんね。血迷ったなぁ。今、冷静に持ち帰ったメニュー(丸めてリボンでくくってお土産感もアップしてくれた)を見たら、他のコース料理は軽めで、私が食べたいものだった。スープはアラカルトでシェア。お互い違うコースを注文するとかでもよかったんだわ。。。
お肉の前に出てきたお口直しのグラニテで今一度胃腸に喝を入れ、お肉へ進む。グラニテの器、『フランスのお土産自慢』で登場のワイン・テイスティング用の器と同じだった。この時点では、ボーヌのワイン市場には行ってなくて、こんなの初めて見たから、でこぼこで、くぼみに入った溶けたグラニテが食べられなくて不便だなぁとか思っていた。
なぜこんなデザインのものがワイン・テースティングに使われたんだろうね?
メインディッシュのチキンは、ストウブ(この赤ちゃんサイズをパリで購入!)の鋳物鍋から出てきて、テーブルの近くのワゴンでメートルディが華麗なる手さばきで盛り付けて提供。見事なお手並み!
黒いのは、モレル。黒トリュフ食べた後なので、注意散漫だったけど、モレルも高いよ。ごろごろ入ってたんだね。
この後、チーズカートがやってきて、あれと、これと、それもって食べたはすだけど写真がない。。。
まぁ、しょうがない。次にいきます。別腹デザートです。
クレームブリュレに、
私の一番好きなスイーツ、ババ・オ・ラム!!
ババ・オー・ラムは、ワゴンの上でラム酒、セント・ジェームズをどぼどぼってかけて出された。お酒を使ったスウィーツって大好きなんだけど、作ろうと思ってお酒を買ってきても、結局、そのまま飲む方が簡単で、作らずに終わることがよくある。いつかラム酒買ってきて、思う存分ババ・オー・ラムを作って食べてみたいもんだ。
フランスのおいしい濃いコーヒー、カフェ。
プティフールと。
ほんとに、ほんとに、ごちそうさまでした!
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レストラン・ポール・ボキューズ - ローベルジュ・ドゥ・ポン・ド・コローニュ
Restaurant Paul Bocuse - Auberge du Pont de Collonges
50 Rue de la Plage, 69660 Collonges-au-Mont-d'Or, フランス
www.bocuse.fr
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